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子ども3人以上は本当に得か?支援を全部調べたら、1人あたりの給付が441万円まで増えた

子ども3人以上は本当に得か?支援を全部調べたら、1人あたりの給付が441万円まで増えた

児童手当の総額は1人234万円、2人468万円、3人なら1,116万円、4人なら1,764万円。1人あたりの平均も234万円から441万円まで上がります。さらに2025年度からは子3人以上で大学授業料が所得制限なしで無償に。ただし3つの制度はすべて「いま同時に何人か」で決まる落とし穴つき。増える費用と、我慢が効くかどうかまで、2児パパが正直に整理しました。

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先日、児童手当の記事で「3人目だけ月3万円」という話を書きました。総額でいうと、1人目・2人目が各234万円なのに対して、3人目以降は各648万円。

書きながら、自分でも気になったことがあります。

「もらえる額は増えるけど、かかる額はどうなんだろう?」

我が家は2人ですが、正直な実感として、2人目にかかったお金は1人目よりずっと少なかったんです。ベビーカーも抱っこ紐もベビーベッドも、1人目で揃えたものをそのまま使いました。服もおもちゃも絵本もおさがりです。

もし「給付は増えて、費用は下がる」のが本当なら、3人目・4人目はかなり有利ということになります。

そこで、子どもが3人以上いる世帯の支援を全部調べました。 結論から言うと、実感はおおむね正しかった。ただし制度には共通した落とし穴があり、人数で増える費用についても、思いつく範囲で正直に整理しました。

児童手当は、1人あたりの平均まで増えていく

まず給付から。児童手当を0歳から高校卒業まで受け取った場合の総額です。

子どもの数 総額 1人あたりの平均
1人 234万円 234万円
2人 468万円 234万円
3人 1,116万円 372万円
4人 1,764万円 441万円

ここが面白いところで、3人目から「1人あたりの平均」が上がります。 4人なら1人あたり441万円で、1人っ子の約1.9倍。

普通、何かを増やすと1つあたりのコストは薄まっていくものですが、児童手当はもらう側が濃くなっていく設計になっています。

※月額はこども家庭庁の公表額です。総額は「3歳未満は36ヶ月、3歳から高校卒業までは180ヶ月」として計算したもので、誕生月によって数ヶ月前後します。

費用を下げる制度も、この2年で一気に増えました

給付が増えるだけではありません。出ていくお金を減らす制度が、2025年から立て続けに動いています。

制度 内容 いつから
大学等の授業料無償化 扶養する子が3人以上なら、所得制限なしで授業料(年70万円まで)と入学金(25万円まで)を免除 2025年度
高校授業料(公立) 所得制限を撤廃。全世帯に年11万8,800円 2025年度
高校授業料(私立) 上限を年39万6,000円→45万7,200円に引き上げ、所得制限なし 2026年度(施行済み)
保育料(3〜5歳) 全世帯で無償 2019年〜
保育料(0〜2歳) 第2子は半額、第3子以降は無償

とくに大きいのが大学の無償化です。子どもが3人以上いる世帯は、年収に関係なく授業料が年70万円まで免除されます。国立大学の授業料は年約54万円なので、実質的に無償です。

私立高校の無償化も、2026年4月1日に施行されました(令和8年法律第8号)。文部科学省の試算では、新たに支給または増額の対象になる生徒は約80万人にのぼります。

正直に書くと、私は以前こどもNISAの記事で「高校無償化などの補助もさらに進むと思っている」と書きました。その通りになりました。 教育費のシミュレーションをするときは、いまの制度で固定して考えないほうがよさそうです。

【重要】3つとも「いま同時に何人か」で決まります

ここからが、この記事でいちばん伝えたいところです。

多子世帯の支援を並べていて気づいたのですが、主要な3つの制度が、すべて同じ条件で決まっています。

制度 数える対象 外れるタイミング
児童手当の第3子加算 22歳の年度末までの子(経済的負担があること) 第1子が22歳の年度末を過ぎたとき
保育料の多子軽減 保育所等を利用している子(年収360万円未満相当の世帯は年齢を問わない) 上の子が卒園したとき
大学等の授業料無償化 同時に3人以上を扶養していること 第1子が就職して扶養を外れたとき

つまり、「これまでに何人産んだか」ではなく「いま同時に何人いるか」で判定されます。

具体例で考えると分かりやすいと思います。子どもが3人いても、第1子が大学を卒業して就職した瞬間、扶養している子は2人になります。すると、まだ大学に通っている第2子・第3子は無償化の対象から外れます。 3人育てているのに、です。

保育料も同じです。年収360万円以上の世帯では、保育所等を利用している子でカウントするので、上の子が卒園した時点で下の子が繰り上がり、軽減が薄くなります。

児童手当にいたっては、第1子が18歳の年度末を迎えた時点で「監護相当・生計費の負担についての確認書」を市区町村に出さないと、カウントが継続されません。自動では続きません。

年齢が離れているほど、制度上は不利になる。 これは、あまり語られていない事実だと思います。

では、費用は本当に下がるのか?

ここで、もとの疑問に戻ります。「2人目以降は安く済む」というのは本当なのか。

調べていて、正直いちばん驚いたのがここでした。それを裏づける新しい公的データが、ほとんど存在しません。

  • 国立成育医療研究センターが2025年10月に公表した調査は、第一子の18年間の子育て費用を約2,173万円(預貯金・保険を除く)としています。しかし対象は第一子のみで、第二子以降との比較はありません
  • 内閣府の「子育て費用に関する調査」は平成21年度(2009年)が最後です。しかも公式ページは現在404で、国会図書館のアーカイブ経由でしか見られません
  • 「二人目・三人目にかける費用は逓減する」という記述は2005年の国民生活白書にあるとされますが、20年前の話です

つまり、「2人目は安い」はみんなが実感として言っているだけで、新しい統計で確かめられていないのが実態でした。

それでも、下がる部分と下がらない部分ははっきりしています

我が家の実感で言うと、下がるのは初期投資です。ベビーカー、抱っこ紐、ベビーベッド、衣類、おもちゃ、絵本。私は以前、保育園の入園準備で180個の持ち物を揃えましたが、あのうち大半は2人目で買い直していません。

一方、下がらないのは消耗品と教育費です。おむつ、ミルク、食費、医療費は人数分そのまま。そして学費や塾代にきょうだい割引はありません。

なので正確に言うと、子どもが小さいうちは実感どおり下がるけれど、大きくなるほど効かなくなる。ただしその「大きくなってから」の部分を、いま国が高校・大学の無償化で埋めにきている、という構図になっています。

増えるのは「家」と「車」。ただし、どちらにも支援があります

制度の得な話ばかり並べても仕方がないので、増える側も正直に書きます。

最初、私は「増えるのは車だけだろう」と思っていました。書きながら数え直すと、金額としては家のほうが大きい

でも、もう一段考えて気づきました。家は我慢が効きます。 部屋を分けなければ済む話でもあるし、狭くても暮らせないわけではない。お金を出すか、我慢するかを選べるんです。

一方で、車のシートベルトと自転車の定員は、我慢では越えられません。払うか、諦めるかの二択です。

なので以下は、金額の大きい順ではなく「我慢が効くかどうか」で並べます。

① 家:金額は一番大きい。でも我慢が効きます

子どもが3人以上になると、部屋数の考え方が変わります。賃貸なら3LDKから4LDKへ、持ち家なら購入時の広さそのものが変わってきます。

ただし金額については、地域差と家庭差が大きすぎるので、ここでは数字を出しません。 「子ども1人に1部屋が必要か」という前提からして家庭ごとに違いますし、無責任な平均値を書いても役に立たないと思うからです。

そのかわり、確かな話をひとつ。住宅ローンには、子どもの人数で効く金利優遇があります。

【フラット35】子育てプラスという制度で、子どもの人数に応じて当初5年間の金利が下がります。

子どもの数 当初5年間の金利引き下げ
1人 年▲0.25%
2人 年▲0.50%
3人 年▲0.75%

しかも子どもの人数に上限がありません(他の優遇と合わせて最大で年▲1.0%)。仮に3,000万円を35年で借りたとすると、▲0.75%の効果は当初5年間でおよそ100万円前後になります(借入額と基準金利によって変わる概算です)。

家は増える側の筆頭ですが、支援も人数に比例して増えるようになっています。

② 車:4人目からは、我慢が効きません

車についても、増えるのは事実です。ただし多くの人が理由を誤解しています。

まず、子ども3人+大人2人は、5人乗りの車に合法的に乗れます。

乗車定員のルールでは、12歳以上の1人が12歳未満の1.5人に相当すると定められています(道路運送車両の保安基準)。計算するとこうなります。

(乗車定員5人 − 大人2人)× 1.5 = 4.5 → 端数切り捨てで12歳未満は4人まで

つまり子ども3人どころか、4人でも定員上は合法です。

実際、5人乗りのまま3人を乗せている家庭は珍しくありません。後部座席に2台+助手席に1台という配置がよく使われています。ジュニアシートやベルト型の補助装置で幅を詰める方法もあります。

ただし、セダンは後部座席の幅が狭くて厳しいです。「買い替え必須」ではありませんが、「どの車でもいい」わけでもない、というのが正確なところです。

では何が壁になるのか。定員ではなく、シートベルトの本数です。

5人乗りの車は、前2席・後3席でシートベルトが5本。大人2人が前に座ると、後部座席に使えるベルトは3本しかありません。子ども4人のうち1人は、座らせる席がないことになります。

定員上は合法なのに、実際には乗れない。ここだけは工夫で越えられない壁です。4人目からは、7人乗り以上の車が実質的に必要になります。

「子どもが3人だと定員オーバーになる」と思っている人は結構いますが、引っかかるのは定員ではなくベルト。そして3人なら問題ない。ここは正確に知っておいて損はありません。

③ 自転車:これも我慢では越えられません

意外と見落とされているのが自転車です。

幼児2人同乗基準適合車で乗せられるのは、幼児2人までです。 3人乗せられる自転車は、そもそもメーカーが作っていません。

ただし救いもあって、都道府県によっては1人を子守バンドで背負い、座席に2人という形なら計3人まで認められています(東京都など)。運転者は16歳以上であることが条件です。

つまり、未就学児が3人そろう時期だけ、自転車での送迎が成立しにくくなる。お金というより生活動線の話ですが、保育園の送迎を自転車でしている家庭にとっては地味に効きます。結果として車が必要になる、という形で費用に跳ね返ることもあります。

結局、避けられないのは車だけでした

並べ直してみて、最初の直感はある意味で当たっていたと思いました。金額では家が一番大きい。でも「絶対に避けられない」のは車だけです。

家は狭さを受け入れれば済みます。自転車も、送迎の方法を変えれば回避できる(車があるなら、そもそも問題になりません)。でもシートベルトが3本しかないという事実だけは、どうやっても動かせない。

子どもを増やすかどうかを考えるとき、「本当に確定でかかるお金」と「選べるお金」を分けて考えると、判断しやすくなると思います。

正直に言うと、これで全部かは分かりません

ここまでが、私が思いついた範囲です。「これ以外にはない」と言い切れるだけの根拠は持っていません。

食費・医療費・被服費などは人数に比例して増えるだけで、「3人以上だから急に」というものではありませんでした。旅行や外食も、席の数や部屋の定員で不便は出ますが、金額としては比例の範囲だと思っています。

他に「これがきつかった」というものがあれば、ぜひ教えてください。実際に3人以上育てている方の実感のほうが、私の机上の整理より確かなはずです。

我が家の話

我が家は現在2人ですが、さらに子どもを増やす計画があります。

だから今回、自分のために調べた部分が大きいです。そして調べてみて、想像していたより制度は手厚くなっていました。とくに大学無償化は、私が学生だった頃には考えられなかった内容です。

一方で、「同時に何人か」で判定されるという設計は、正直かなり気をつけないといけないと感じました。年齢が離れると、制度上は3人いても2人扱いになる場面が出てきます。

支援金の記事でも書きましたが、私は制度に世話になっている側です。だから文句を言うつもりはありません。ただ、知らずに取りこぼすのはもったいない。 確認書ひとつで年24万円変わることもあります。

まとめ

  • 児童手当の総額は、1人234万円 → 2人468万円 → 3人1,116万円 → 4人1,764万円
  • 1人あたりの平均も上がる(234万 → 372万 → 441万
  • 費用を下げる制度も2年で急増。大学無償化(子3人以上・所得制限なし)、高校授業料の無償化、保育料の多子軽減
  • ただし3つとも「いま同時に何人か」で決まる。 年齢が離れているほど不利
  • 「2人目以降は安い」を裏づける新しい公的データは実は存在しない。下がるのは初期投資、下がらないのは消耗品と教育費
  • 増える側は金額ならが筆頭。ただし家は我慢が効く(部屋を分けなければ済む)。【フラット35】子育てプラスで子3人なら当初5年▲0.75%、人数に上限なし
  • 絶対に避けられないのは車だけ。家と自転車は工夫や我慢で回避できる
  • 車は3人なら5人乗りでOK(12歳未満は1.5人=大人1人換算)。4人目で引っかかるのは定員ではなくベルトの本数
  • 自転車は幼児2人まで。未就学児が3人そろう時期は送迎が詰まりやすい

よくある質問(FAQ)

Q. 子どもが3人だと、どれくらい得になりますか?

児童手当だけで総額1,116万円(2人なら468万円)。さらに扶養する子が3人以上なら、大学の授業料が所得制限なしで年70万円まで免除されます。

Q. 大学無償化は、子どもが3人いれば必ず使えますか?

いいえ。同時に3人以上を扶養していることが条件です。第1子が就職して扶養を外れると、下の子が在学中でも対象外になります。

Q. 保育料の多子軽減は、上の子が小学生でも使えますか?

年収360万円未満相当の世帯は、第1子の年齢を問いません。それ以外の世帯では、保育所等を利用している子でカウントするため、上の子が卒園すると軽減が薄くなります。

Q. 子ども3人だと車の定員オーバーになりますか?

なりません。12歳未満は3人で大人2人として数えるため、5人乗りに大人2人+12歳未満4人まで乗れます。ただしシートベルトは後部座席に3本しかないので、実際に座らせられるのは3人までです。

Q. 2人目以降は本当に安く済みますか?

新しい公的データで確かめられてはいません。ベビー用品や衣類などの初期投資は明確に下がりますが、食費・おむつ・教育費は人数分かかります。

Q. 高校の授業料はいくら無償になりますか?

2026年度から所得制限なしで、公立は年11万8,800円、私立は年45万7,200円が上限です。

Q. 子どもが3人以上だと、自転車に乗せられますか?

幼児2人同乗基準適合車で乗せられるのは幼児2人までです。3人乗せられる自転車は製造されていません。ただし都道府県によっては、1人を子守バンドで背負い座席に2人という形で計3人まで認められています(東京都など)。

Q. 子どもが多いと住宅ローンで得することはありますか?

【フラット35】子育てプラスがあります。子ども1人で年▲0.25%、2人で▲0.50%、3人で▲0.75%(当初5年間)。子どもの人数に上限はありません

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