育休とりすぎパパのログ
✦ パパひとりで17ヶ月育休取得のリアルログ ✦
生活防衛資金は6ヶ月分も必要?病気なら2ヶ月で足りると分かった話

生活防衛資金は6ヶ月分も必要?病気なら2ヶ月で足りると分かった話

「生活費の6ヶ月分」とよく言われる生活防衛資金。我が家も6ヶ月分を持っていますが、多い気がして計算し直しました。病気で働けなくなるだけなら2ヶ月・50万円で足ります。それでも減らさない理由と、コロナで我が家が何の影響も受けなかったという正直な話を書きます。

目次 CONTENTSOPENCLOSE

はじめに:6ヶ月分、多い気がしませんか

生活防衛資金は「生活費の6ヶ月分」——よく言われる数字です。我が家もそうしています。

でも最近、本当に6ヶ月も要るのかと思うようになりました。

うちは共働きです。僕が働けなくなっても、妻の収入は残ります。しかも会社員なので傷病手当金もある。それなのに6ヶ月分の現金を寝かせておくのは、少し過剰では、と。

そこで自分の家の数字で計算し直しました。

結論から書くと、病気で働けなくなるだけなら、2ヶ月分・50万円で足ります。それでも6ヶ月分を減らしていません。理由も含めて、全部書きます。

📌 この記事で分かること

  • 生活防衛資金が備えている2種類のリスク(ここを分けないと数字が決まりません)
  • 共働き会社員が病気で働けなくなった場合の必要額の出し方
  • コロナやリーマンで、実際にどれくらい影響が続いたのか
  • 我が家はコロナで何の影響も受けなかったという正直な話

そもそも、何のためのお金なのか

「6ヶ月分」という数字が独り歩きしていますが、何のリスクに対する数字なのかが語られることは、あまりありません。

整理すると、生活防衛資金は性質のまったく違う2つのリスクに備えています。

① 個人リスク ② システミックリスク
病気・ケガ・自分だけの失業 感染症・震災・金融危機
傷病手当金 効く 効かない
配偶者の収入 残る 同時に減る可能性
公的支援 制度が確立している 設計から支給まで時間がかかる

この2つを分けないと、必要な金額は決まりません。順番に計算します。


① 病気で働けなくなった場合:2ヶ月・50万円

まず個人リスクから。僕が病気やケガで働けなくなったケースです。

傷病手当金があるので、無収入にはなりません

会社員には傷病手当金があります。

項目 内容
金額 支給開始日以前12ヶ月の標準報酬月額の平均 ÷30 ×2/3
期間 支給開始日から通算1年6ヶ月
待期 連続3日休んだあと、4日目から

だいたい給料の3分の2が、1年半にわたって出ます。2022年1月から通算化されたので、途中で復職して再び休んでも残りを繰り越せます。

自営業やフリーランスには、この制度がありません。ここが決定的に違う点です。

問題は「振り込まれるまでの時間」

制度としてはもらえます。でもすぐには入ってきません。

待期3日のあとに申請し、会社を経由して健康保険組合へ。審査を経て振込——この流れで、初回の入金までおおむね2ヶ月かかります。会社の手続きの速さにも左右されるので、順調にいって2ヶ月、というのが実感に近いです。

僕はこの「制度はあるのに手元にない」という状態を、育休で経験しています。育児休業給付金の入金が2〜3ヶ月後で、その間に貯金が目に見えて減っていきました。もらえると分かっていても、通帳の残高が減るのは普通に怖い。

生活防衛資金の本当の役割は、この時間差を埋めることです。

共働きなら「生活費」ではなく「不足額」で計算します

ここが一番大事なところです。

「生活費の◯ヶ月分」という言い方は、収入がゼロになる前提の計算です。でも共働きなら、片方が倒れても世帯収入はゼロになりません。

我が家の数字で計算するとこうなります。

項目 金額
月の生活費(住宅費込み) 30万円
妻の収入(※) 10万円
月の不足額 20万円

※ 妻の収入10万円は、子どもを抱えながら無理なく働ける範囲として置いた想定額です。今の収入ではありません。低く見積もっても足りるかを確かめるための数字です。
| × 傷病手当金が入るまでの2ヶ月 | 40万円 |
| + 医療費の一時立替 | 10万円 |
| 合計 | 50万円 |

医療費を10万円としたのは、高額療養費がいったん窓口で払ってから戻ってくる仕組みだからです。限度額適用認定証を使えば窓口負担を抑えられますが、それでも手元のお金は必要になります。

50万円あれば足りる。これが個人リスクに対する答えでした。

📌 別記事(生命保険を解約した話)では、生活費を20万円で計算しています。数字が違うのは前提が違うからです。あちらは僕が亡くなった場合の話で、実家に移れるので住居費を0としました。今回は生きて療養しているので、家族はそのまま自宅にいます。だから住宅費10万円を含めた30万円で計算しています。

💡 生活費の6ヶ月分なら180万円です。必要額との差は3倍以上ありました。

⚠️ ひとつ、見落としやすい落とし穴があります

傷病手当金の受給中も、社会保険料は免除されません。

育休は健康保険料も厚生年金保険料も免除されますが、傷病手当金にその仕組みはありません。しかも保険料の額は休む前の標準報酬月額で計算されるので、収入が3分の2に減っても保険料は変わりません。

育休で免除を経験していると、つい同じ感覚で考えてしまいます。ここは別物なので、少し余裕を見ておくべきところです。


② コロナのような事態:6ヶ月では回復しません

次にシステミックリスクです。ここは話がまったく変わります。

傷病手当金は効きません。配偶者の収入も同時に減る可能性があります。「共働きだから片方は残る」という前提が崩れるからです。

過去のデータを調べました

発生 失業率のピーク ピークまで
リーマンショック 2008年9月 2009年7月に5.5%(完全失業者364万人・過去最高水準) 約10ヶ月
コロナショック 2020年初頭 3.1%(2019年12月は2.2%) 約8〜10ヶ月

リーマンはピークに達するまでが10ヶ月。そこから低下に転じ、元の水準に戻るまで3年以上かかっています。

コロナは失業率3.1%で止まりました。もともと人手不足だったことと、雇用対策が効いたことが理由とされています。

つまり6ヶ月では、社会は回復しません。

それでも6ヶ月に意味がある理由

防衛資金の役割は、嵐が過ぎるのを待つことではありません。

6ヶ月あれば、こういうことができます。

  • 失業給付の受給を開始する
  • 転職活動をひととおり回す
  • 事業なら業態転換や資金調達に動く
  • 支援制度を調べて申請する

「世の中が元に戻るまで耐える」のではなく、「自分が動き出すまでの滑走路」と考えると、6ヶ月という長さは腑に落ちます。


正直に書きます。我が家はコロナで無傷でした

ここは隠さずに書いておきます。

コロナのとき、我が家は何の影響も受けませんでした。

  • 会社員なので給料は1円も減らなかった
  • 建設の現場も止まらなかった
  • コロナが出たら有給で休むだけ。それで給与は変わらない

つまり僕は、自分の防衛資金が妥当かどうか、まだ試されていません。

「コロナで痛い目に遭ったから備えている」という話ではないんです。何も起きなかった側の人間が書いています。

それでも減らさない理由

コロナは、たまたま僕の働き方に優しい危機だったというだけです。次が同じ形で来るとは限りません。

危機の型 建設業の現場で働く会社員への影響
コロナ型(感染症・需要蒸発) ほぼ無傷だった
震災型(物理的損壊) 現場が止まる。復旧まで働けない可能性
金融型(リーマン級) 受注が減り、人員整理の対象になり得る

一度セーフだったから次も大丈夫、とは言えません。震災が起きれば現場は止まりますし、リーマン級の不況なら建設需要そのものが落ち込みます。コロナで無傷だったのは、感染症という形だったからにすぎません。

だから減らしていません。多いかもしれないと分かったうえで、それでも持っている——これが正直なところです。


⭐ 一番効いているのは「会社員であること」

計算していて、はっきり分かったことがあります。

我が家の防衛資金が少なくて済む最大の理由は、貯め方でも運用でもなく、「会社員だから」でした。

  • 病気で働けなくなっても傷病手当金がある
  • コロナのような事態でも給料が減らなかった
  • 有給で休んでも収入が変わらない

同じ計算を個人事業主でやると、答えはまるで違います。傷病手当金はありませんし、コロナで直撃を受けた飲食や宿泊は、6ヶ月分でも足りませんでした。

コロナで失業率が3.1%に留まったのは、多くの会社員が守られたからです。僕はまさにその一人でした。

つまり、どこに勤めるかが最大のリスク対策です

身も蓋もない話ですが、保険や貯金より、勤め先の安定性のほうが効きます。

しかもこれは、育休の話とまったく同じ構造です。僕が17ヶ月の育休を取れたのも、その環境がある会社にいたからでした。制度は法律で決まっていても、実際に使えるかどうかは会社によります。

建設業は「激務」というイメージが強い業界ですが、会社によって働き方はまったく違います。残業規制も週休2日も進んでいて、僕自身も完全週休2日で家族との時間が取れています。

同じ業界の中で環境を変えるだけで、防衛資金の必要額も、育休の取りやすさも変わる。そのあたりは別の記事に書いています。

男性育休17ヶ月の完全ガイド|施工管理パパが取り方〜復帰まで全公開
施工管理で育休17ヶ月取得した方法|上司説明〜引継ぎまで全公開


まとめ

  • 生活防衛資金は2種類のリスクに備えている。分けて考えないと金額が決まらない
  • 病気で働けない場合は、共働き会社員なら2ヶ月・50万円で足りた(生活費の6ヶ月分=180万円との差は3倍以上)
  • ただし傷病手当金の受給中も社会保険料は免除されない。育休とは別物
  • コロナやリーマンは6ヶ月では回復しない。それでも6ヶ月に意味があるのは「動き出すまでの滑走路」だから
  • 我が家はコロナで無傷だった。だから自分の防衛資金はまだ試されていない
  • それでも減らさないのは、次が同じ形で来るとは限らないから
  • 効いているのは貯め方より「会社員であること」。勤め先の安定性が最大のリスク対策

「生活費の6ヶ月分」という数字を否定したいわけではありません。自分の条件で計算し直すと、根拠のある数字になるという話です。

計算した結果、我が家は6ヶ月のままにしました。でも「なんとなく6ヶ月」と「多いと分かったうえで6ヶ月」では、まったく違うと思っています。


参考・出典

  • 全国健康保険協会「傷病手当金」
  • 厚生労働省「令和2年版 労働経済白書」
  • 経済産業省「ものづくり白書」(完全失業者数の推移)
  • ※本記事は2026年8月時点の公開情報と、筆者自身の試算にもとづくものです。特定の金融商品や保険商品を推奨するものではありません。必要額はご家庭の状況により異なります。

関連記事

この記事をシェア

【アフィリエイト挿入欄】管理画面で商品リンクを設定してください。

関連記事